研究課題/領域番号 |
14572229
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 美也子 九州大学, 医学部, 教授 (80284579)
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研究分担者 |
長家 智子 九州大学, 医学部, 助教授 (70207976)
北原 悦子 九州大学, 医学部, 教授 (60204905)
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キーワード | 基礎看護技術教育 / ナラティブ・アプローチ / 模擬患者 / 患者教育 |
研究概要 |
看護の対象となる人々の全人的理解を深めるため、基礎看護技術の指導技術の単元において、模擬患者を用いた糖尿病患者への教育指導に関する授業案を作成した。糖尿病患者の生活背景を検討し、模擬患者がこれまでの生活経験を語る場として面接場面を設定しながらシナリオを作成した。看護学生は、糖尿病患者に対する指導計画を企画するとともに、男性患者と女性患者の模擬患者2名に対し、それぞれ2名の看護学生(計4名)が実演を行った。 これらの演習から、「印象に残ったこと」「なぜ印象に残ったのか」などの演習課題に関するレポート(以下レポートA)と全体的な演習への感想(レポートB)を分析した。「印象に残ったこと」や「なぜ印象に残ったか」などを通じて、患者の生活背景への理解の程度やそれらを通じた看護学生の思考を明らかにした。 レポートAの「印象に残ったこと」の結果では、発達課題に関わる職業や家族などの記載がある一方、食事指導などの治療方法に注目する傾向もあった。また、「印象に残った理由」では、クリティカル・シンキングの思考内容を視点として分析し、それによると憶測によって説明する傾向があった。しかし、患者の辛さやきつさを自らの感性を通じて患者を理解しようする特徴もあった。 レポートBの分析結果では、教育指導の難しさとともに患者理解の必要性があり、個別性に対応した教育方法の展開に関する理解に繋がっていた。また、今回は実際の演習であり、グループワークで作成したパンフレットが実際に活用されたため、それに対する関心の高さがあった。
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