研究課題
1.質問紙の開発過程イノベーティブな看護を提供していると推薦された500床以上の2施設において、看護部の責任者に半構成的インタビューを、看護部の責任者から推薦された看護単位の責任者5名、スタッフ5名にそれぞれフォーカスグループインタビューを実施し、(1)普及に影響する要因、(2)普及のための工夫、(3)普及推進者の特徴等の回答を得た。データ収集期間は、平成14年9月〜11月。承諾を得てインタビュー内容を録音し、逐語録から影響要因に関連する全アイテムを抽出し、KJ法に準じて複数の研究者で意味単位毎のカテゴリーに分類した。インタビュー結果から抽出されたアイテム総数は329で、個人的要因は176アイテム、19カテゴリーに、組織的要因は153アイテム、15カテゴリーに分類された。その結果を基に、個人的要因の質問項目は、パーソナリティー特性やコミュニケーション活動、役割モデル等の48項目、組織要因では、看護職員教育研修用予算、専門看護師の配置、他の研究・教育機関との研修会や研究での連携の有無等47項目とした。また、普及の要因とクロスされるべき実態を調査するためのイノベーティブな看護技術を抽出するために、インタビューから抽出された87の技術に関する文献323件を収集、米国の保健政策研究局(Agency for Health Care Policy and Research ; AHCPR)が作成したエビデンスレベル(以下、EVレベル)に沿って該当文献を照合し、EVレベルが確定できた22文献で、19項目6カテゴリー(感染・褥創予防・口腔ケア・与薬・睡眠・抑制・創傷管理)を精選し、イノベーティブな技術の質問文として採用した。普及実態を確認する質問として、Rogersの心的過程5段階を援用した。2.質問紙のパイロットスタディ開発した質問紙を用いて、平成15年3月、青森県内5施設の看護部の責任者および病棟2名ずつのスタッフナース、計51名を対象に実施した。回収率は92.2%、現在、データを分析中であり、プレテストを実施し、さらに質問紙の洗練を行い、全国調査を実施する予定である。
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