研究課題/領域番号 |
14572240
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
小西 恵美子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70011054)
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研究分担者 |
久保田 智恵 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (20322357)
田代 麻里江 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (80336619)
見藤 隆子 長野県看護大学, 看護学部, 学長 (00086266)
中嶋 尚子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (40347373)
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キーワード | ホスピス / 看護倫理 / 緩和ケア / 告知 / セデーション / 安楽死 |
研究概要 |
本研究の主目的は、日本および北欧のホスピス看護において生じている倫理的問題を明らかにし、それらの国際比較を行うことである。14年度(第1年度)は、所属大学の倫理委員会から研究実施の許可を得て両国の質問紙調査を行ない、結果を学会、論文で発表した。以下に日本での質問紙調査の概要を述べる。 質問紙開発:文献検討をもとに、全45問(うち自由記載式3問)の質問紙を作成、臨床経験2-30年の看護師5名によるプレテストにより内容妥当性を確保した。 サンプル:日本中央部の緩和ケア病棟19施設に働く276名の看護師に質問紙を配付、回答は147名(回答率53%)。全員が女性。年齢巾24-60才で、35才以下が51%。地位はスタッフ90%、師長10%。 結果:回答者の65%(91名)が、しばしばあるいは頻繁に、倫理的問題を経験していた。その内容を記載した人は107名、全記載数は333件。その内容分析から現れたテーマは頻度順に、(1)告知、(2)セデーション、(3)治療の意味、(4)ケア環境、(5)家族、(5)医療・看護チーム、(6)看護ケア、(7)安楽死であった。 考察:1.一般病院と同様、「告知」が最大の倫理問題であり、積極的治療がホスピスでも行われ、また、ホスピスとはどういう所かを知らされずに入所する患者の多さは、日本におけるホスピスとは何かについて問題を提起している。2.疼痛緩和、患者セデーション、積極的あるいは消極的安楽死の関係について、看護師の理解不足や混乱がみられる。3.しかし、数多くの印象的な記載は、日本のホスピス看護師の共感の心と倫理的感性を示すものであった。
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