研究課題/領域番号 |
14572251
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (90204346)
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研究分担者 |
小林 敏生 山口県立大学, 看護学部, 教授 (20251069)
河島 美枝子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (70305837)
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キーワード | 勤労者 / ストレス対処特性 / 職業性ストレス / 抑うつ / 質問紙 / 自殺 / 飲酒 |
研究概要 |
1)ストレス対処特性を評価するための既存の質問紙を参考に研究者らがブレインストーミングを行い、職域健診や健康教育場面で使いやすいよう、6尺度20項目からなる簡易質問紙を試作した。これを用いて某企業の新任係長級研修の参加者141名を対象に質問紙調査を行った結果、うち17項目が積極的問題解決・問題解決のための相談・気分転換・他者を巻き込んだ情動対処・発想転換・感情抑圧の6因子を構成していた。これに基づき構成した6尺度には、実用に耐える内的一貫性があること、既存尺度で評価した職業性ストレスや抑うつ症状と中程度の相関があること、および抑うつ度の重回帰分析で職業性ストレスと対処特性の間に交互作用があることを示し、6尺度の信頼性と妥当性を部分的に確認した。2)上記6尺度のうち項目数の少ない尺度に新項目を追加し、ほとんどの対象者が同じ回答を示す(=弁別力が低い)項目を改変して、改訂版18項目を試作した。これを用いて某自治体の職員研修受講者75名に対する質問紙調査を行い、気分転換という対処特性と「自殺への共感度」との関連を報告した。3)上記改訂版のうちなお弁別力の低い質問や多義的な質問を再改訂した18項目を作成してコーピング特性簡易評価尺度(BSCP)と命名し、これを用いて2つの自治体の職員328名に対する質問紙調査を行った。改訂尺度の信頼性と妥当性が再度確認され、特に抑圧という対処を選びやすい人は対人関係ストレスによって抑うつ度が高くなりやすいことと、飲酒時に赤面しない男性に限れば"ストレス解消のための飲酒"の頻度と情動焦点型の対処特性が関連していることを明らかにした。4)BSCPの因子構造が男性勤労者と女性勤労者で異なる可能性が残されていることから、さらに小改訂を加えて、別の職域(民間企業)での調査を準備中である。予想通りの結果が得られれば、次年度には標準化作業に取りかかる予定である。
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