研究課題/領域番号 |
14572252
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
工藤 禎子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (00214974)
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研究分担者 |
三国 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (50265097)
桑原 ゆみ 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (80295914)
森田 智子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (50331202)
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キーワード | 高齢者 / 転居 / 適応 / 介護保険 / 介護予防 |
研究概要 |
本研究の目的は、高齢者の転居後の生活適応を促すための看護職による支援の開発と効果を明らかにすることである。最終年度の17年度は、介護保険による居宅サービス利用者の居住年数別の生活と健康の状態を明らかにすることをめざした。都市近郊の人口約2万人のA町において、担当ケアマネージャーによる介護保険記録からの基本属性、認定程度、サービス利用等の転記と、ケアマネージャーによる訪問面接調査により居住年数、家族形態、既往、受診、日常生活機能、健康度自己評価等が把握された。居宅サービス利用の全333人のうち、入院等を除く計238人のデータが得られた。分析は、居住年数「5年以内」「6〜10年」「11〜20年」「21年以上」の4群別に各変数とのクロス集計、及び平均値の算出をした後、居住年数「5年以内」「6年以上」別にX^2検定、t検定を行なった。 その結果、居住年数別には、性別、年齢、介護保険の認定の程度、認知症、家族形態の差はみられなかった。既往・現病、受診、活動能力、外出、人との会話、健康度自己評価、生活満足感も、居住年数別の違いはみられなかった。サービスの利用では、居住5年以内の者は、通所介護の利用が有意に多かった。それ以外のサービス利用の有無や利用単位、施設型サービスへの意向においても、居住年数別の差はみられなかった。介護保険の居宅サービス利用者においては、居住年数の長短による属性、生活・健康、サービス利用の違いはほとんどないが、居住5年以内の者は通所介護の利用が多く、サービス利用のための呼び寄せ的な転入、あるいは転入後の機能低下による利用や、転入後の閉じこもり予防としての利用があったと推察された。
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