研究概要 |
【目的】今年度は、Evidence based practice(EBP)促進のために、看護師の研究への認識を測定するEBPに関する日本語版尺度を開発し、英語版尺度と日本語版尺度の等価性を検証することを目的とした研究を行った。 【方法】1)使用尺度:Professional Practice Scale(Adams A,et al.,1995)、Attitudes to nursing research scale(Parahoo,1997)、Barriers to Research Utilization Scale(Funk S,et al.,1991)の3つである。2)日本語版尺度の作成手順:英語版尺度を作成した研究者より許可を得、日本語へのトランスレーションと、バックトランスレーションをおこなった。3)等価性検証の方法:作成した日本語版尺度と英語版尺度の質問が同様の意味に解釈されるかどうかを確認するために、等価性の検証を行った。対象者は英語圏の大学卒業以上か、日本の大学院在学生か修了生の90名である。対象者には、英語版を回答した後で日本語版を回答するよう依頼した。 なお等価性は、両尺度の各項目についてSpearman相関にて分析した。 【結果】有効回答は54名(60.0%)、女性53名、平均年齢36.6(SD6.5)歳、臨床経験年数8.1年(SD5.8)年、英語教育を受けた年数9.8(SD3.1)年であった。等価性の検証結果、最も低い相関係数でρ=0.32(p=0.021)、最も高い相関係数でρ=0.88(p=0.00)であった。 【考察】すべての尺度と質問項目が、すべて有意な相関があったことため、等価性は検証できたといえる。今後は日本の臨床看護師を対象に調査を行い、豪州とのEBPの実態比較を行う予定である。
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