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2005 年度 実績報告書

失語症者の生活体験とセルフヘルプ・グループを通したエンパワーメントの過程

研究課題

研究課題/領域番号 14572282
研究機関長崎大学

研究代表者

松坂 誠應  長崎大学, 医学部, 教授 (60190435)

研究分担者 寺崎 明美  長崎大学, 医学部, 教授 (50163910)
鷹居 樹八子  長崎大学, 医学部, 講師 (40325676)
間瀬 由記  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (60256451)
キーワードセルフヘルプ・グループ / 失語症者 / エンパワーメント / 専門職の役割 / 失語症者家族
研究概要

研究実績の概要
1.目的:セルフヘルプ・グループ(Self Help Group以下SHG)に参加している失語症者と家族の主観的体験から、専門職の介入の有無により失語症者が得ている支援の違いとSHGへの専門職のかかわりを明らかにする。またSHGによる家族への支援内容を明らかにする。
2.方法:SHGに参加する失語症者のうち面接協力が得られた45名ならびに失語症者の家族5名に対して、Strauss(1984)の病みの軌跡を概念枠組として、独自の半構成的インタビューガイドを作成した。
3.分析方法:許可を得て面接内容を録音し、逐語録を基にグループ参加に関する記述内容に関して質的帰納的分析を行った。
4.結果:失語症者が医療専門職から得ている支援は、いずれの時期においても回復への支援である【訓練の実施】【情報の提供】等の肯定的な支援であった。言語障害が個人のアイデンティティや社会関係に大きく影響することから、時期を問わず【個を尊重する援助】とともに【専門的な支援】を必要としていることも明らかになった。さらに専門職主導型と非主導型SHGの支援を比較すると、両者ともに【言語機能の回復】【訓練の継続】【共感と相互理解】が多く、専門職主導型では【専門職との継続した交流】【目標としての仲間】等であった。非主導型では、【役割を引き受けるという参加姿勢】が多かった。なお、専門職介入の有無に関わらず、【障害への対処】【情緒的支援】を得ていた。専門職者の介入は訓練の継続が情緒を安定させ、非主導型では個々の役割意識が、個別の生き方を模索するというエンパワーメント過程の促進を促すといえる。また、SHGの失語症家族への支援は、ストレス発散や他者交流に喜びを与える【情緒的支援】【変化を実感できる場】であり、これらは家族の満足となり、失語症者の【次なる活動のきっかけを得る場】となっていた。家族にとってSHGは情緒的支援を基盤として次なる発展を作り出す場であった。
今後の課題
失語症家族の生活の再構築へ向けての軌跡を明らかにすること、失語症者と家族の相互関係を明らかにすることにより、看護が果たす家族への支援のあり方を検討する。
失語症者、家族の生活の再構築への軌跡を照合し、失語症者のエンパワーメントの過程を概念化する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluating community attitudes to people with schizophrenia and mental disorders using a case vignette method2005

    • 著者名/発表者名
      Tanaka G., Inadomi H., Kikuchi Y., Ohta Y.
    • 雑誌名

      Psychiatry and Clinical Neurosciences 59巻

      ページ: 96-101

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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