平成14年度は顔面に疾患や外傷のある当事者たち(以下顔あざ当事者と略す)が感じた苦痛と不便を感じたソーシャルサポートシステム(医療支援プログラム、医療保険制度、教育プログラム、就職・雇用確保)に関する現状把握のためにソーシャルサポートについて自記式アンケート作成調査用紙の作成をおこなった。これまで藤井が実施してきた顔あざ当事者の研究成果を踏まえて、皮膚科疾患をもった当事者の協力を得て調査を行い、アンケート項目を修正した。さらに対象にしたパイロットスタディによりアンケート項目の微小修正を実施し、調査項目の再修正及び調査用紙の再作成をおこなった。本年度は熊本など近県の当事者を対象とした聞き取り調査に力をいれた(パイロット研究)。研究の主旨を説明し、倫理的配慮をして自ら不便・苦痛を感じたソーシャルサポートシステムの不備について自記式アンケート調査を依頼し、同時に聞き取り調査を実施した。(1)東日本地区、関西地区、中部地区の当事者のうち協力が得られた顔あざ当事者に。次年度の本格的聞き取り調査の日時、趣旨説明、協力要請を行った。協力が得られた顔あざ当事者の写真またはビデオ撮影など試験的な実施を試みた。倫理的な配慮は十分に行い、プライバシーを確保に努めた。本格的な調査結果の分析と調査結果報告書は次年度に実施するが、顔面に疾患や外傷のある人とその家族の自ら不便・苦痛を感じたソーシャルサポートシステムの不備について現状の分析や.質的データの分析を中心に、内容分析を行う。
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