1.容貌障害者に当事者でもある研究代表者が、わが国初めて直接インタビューを実施したピアーカウンセリング報告書であること 2.容貌障害者による社会へのアクションプログラムとして学校教育など総合的学習をわが国で初めて教授し、ソーシャルサポートの具体的知見が得られたこと 3.今後、アジア等海外への容貌障害者・家族への調査・インタビュー等研究の幅が広がったこと 以上、今研究で得られた成果は、わが国で初めて、容貌障害者がかかえている当事者の心理的葛藤について、詳細に明らかにした報告書であり、今後、他の障害者についても深く掘り下げた研究の可能性に道を開いた意義は非常に大きいといえる。わが国においては容貌障害者の教育的実践活動そのものに対する実績がなかっただけにその意義は快挙とよぶべきものである。また家族の容貌障害者に対するサポートについても具体的な事実が得られ、家族の協力、支援が重要であることが改めて示唆された。 そして社会全体が容貌障害者の存在を始めて認知し、当事者とどのように向きあったらよいかを明らかにした。特に周囲の人々の励まし、激励、理解が、ソーシャルサポートシステムの中でも本当に効果のある重要なサポートであることを再確認した。 本研究の反響は非常に大きく、このことは研究代表者に関連した書籍が国内でも多数出版され、今後も出版ラッシュが続く事からも明らかである。今後、本研究の成果として、すでに、研究代表者の韓国版の著書も出版されているように世界研究組織が整備され、更に啓発教育・活動が展開していくと考えられる。
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