研究課題/領域番号 |
14572288
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
加納 尚美 (五十嵐 尚美) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教授 (40202858)
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研究分担者 |
永瀬 つや子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (10336480)
村木 敏明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20182115)
小松 美穂子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50134169)
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / 妊産婦 / 出産経験 |
研究概要 |
本年度の実施結果としては、3段階のプロセスを経て、研究遂行の基盤作りを行なった。以下に段階毎に結果をまとめる。 1.茨城県内の産科・小児科病院を標榜する病院での調査:某総合病院において、2001年の救急外来および助産録について性暴力およびDV被害の有無に関する事項について分析をした結果(2002年6月)、年間720件の出産数中、関連記載のあった事例は3例のみであった。また、外来および病棟勤務看護師および助産師4名に面接を行なったところ、記録には記載されていない被害事例があがってきた。看護職の認識によって被害実態の暴露は左右されることが明らかになった。 2.カナダ・バンクーバー市での女性病院での調査:2002年8月にブリティッシュ・コロンビア州立病院にて、妊産婦のドメスティック・バイオレンス(以下DVと略す)の被害実態および医療対応について、合計10人の保健医療および福祉職よりからヒアリングを行い、妊産婦を含めた女性のクライエントの20-30%が何らかのDV被害を受けていること、DV被害の発見は、医療従事者の啓発教育がもっとも有効であることがわかった。 3.出産経験者へのアンケートおよび面接調査:茨城県内在中の6カ月以内の出産経験者138人(2003年2月調査)に、保健センターを通じてアンケート調査を行い、「夫からの暴力の有無」の項目を設けたが、ダイレクトな質問には回答する者はほとんどなかった。一方、48名(2002年9-2003年3月調査)の出産経験者面接調査からは本人たちは意識していないが、語られたエピソードからはDV被害や医療者からの傷つき経験が明らかになった。現在、結果については分析途中である。 <まとめ>妊産婦のDV被害の実態を知るには妊産婦および保健医療者の認識の啓発を含めた調査の必要性がある。
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