研究課題/領域番号 |
14572291
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
奥野 茂代 長野県看護大学, 看護学部・老年看護学, 教授 (90295543)
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研究分担者 |
池田 紀子 長野県看護大学, 看護学部, 看護教育学教授 (70281251)
千葉 真弓 長野県看護大学, 看護学部, 看護教育学講師 (20336621)
太田 規子 長野県看護大学, 看護学部, 看護教育学助手 (10363889)
神崎 由紀 長野県看護大学, 看護学部, 看護教育学助手 (80381713)
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キーワード | 介護施設利用高齢者 / 終末期ケア / 看護支援モデル / 看護職 / 死生観 / 看護カウンセリング |
研究概要 |
本研究の目的は、介護施設に暮らす高齢者の終末期ケアにおける質の向上をめざし、看護職のケア能力の発展を図る看護支援モデルを構築し実証する、である。その目標は、(1)介護施設高齢者の終末期ケアの看護活動のニーズを把握する、(2)海外における高齢者の終末期ケア、ケアシステムについて把握する、(3)前述の目標から看護職者をサポートする「看護支援モデル」を開発する、を設定した。実施にあたっては、長野県看護大学倫理委員会の審査を受けた。平成16年度は、看護支援モデルとしてのワークショップ(第4回目)、終末期ケアガイドライン作成、看護職者のネットワークつくりに取り組んだ。 ワークショップ第4回目は、平成16年5月、「南オーストラリアの施設利用高齢者の終末期ケアの理念と取り組み」のテーマで、Tonny Zuch氏(Manager Residential Services/Director of Nursing ; Helping Hand Aged Care)による講演を実施した。主な内容は、先駆的な取り組み-終末期ケアの実際やケアのシステム・ネットワーク、看護職をはじめとするケア提供者に対する教育のあり方、南豪州の自然死法などを実践的、具体的に解説された。参加者は、133余名で、圧倒的多数が現場で役立つ、また「高齢者の終末期ケア」を考えるだけでなく、自身の死生観を問う良い契機になったとの反応であった。 次に終末期ケアのガイドラインを作成した。これは、施設における終末期ケアに示唆を与える指針の必要性から作成された。内容は、9領域から構成され「介護施設で暮らす高齢者の終末期を支えるしおり」として冊子にまとめられた(79ページ)。 またネットワークつくりは、高齢者ケア看護研究会の発足に繋がった。現在会員は、123人(平成17年3月)である。本会は、会員相互の連携と看護職としての資質の向上を図り、充実した高齢者ケアを提供する、を目的に掲げ、年2回の研究・研修会、情報誌発行という活動も定着、全国に先がけた介護施設の看護職者の自立的な研究会へと発展が期待されるまでに至った。以上の知見を報告書にまとめた。
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