研究概要 |
手続き1: 比嘉(2002)により開発されたSpirituality評定尺度(Spirituality Rating Scale: SRS)の有用性を検証するために、看護師1635名を調査対象として、「SRS、ストレッサー尺度(役割の不明瞭性、能力の欠如感等)、ストレス反応尺度(怒り、対人場面での緊張感、抑うつ等)」の変数で構成された質問紙を郵送法で実施し、1117名(36.1±8.7歳)から有効回答を得た。まず、SRSの因子構造を検証するため統計ソフトAMOSを用いて検証的因子分析を行い、その結果、x^2=210.52、df=74、p<0.01、GFI=0.97、AGFI=0.96、RMSEA=0.04でSRSの5因子構造が受容された。 次に、上記の各変数間の因果関係や相関関係を探るために共分散構造分析を行った。その結果、x^2=87.92、df=29、p<0.01、GFI=0.99、AGFI=0.97、RMSEA=0.04で想定モデルが受容された。そのモデルのすべての係致は値が0であるという仮説が棄却され統計的に有意であった。また、SRSとストレッサーの相関係数は-0.53であった。このストレッサーがストレス反応を規定する標準化偏回帰係数は0.53であり,ストレッサーの強さはストレス反応を増強する予測変数となっていた。SRSがストレス反応を規定する標準化偏回帰係数は-0.38であり、SRSの高さはストレス反応を抑制する予測変数となっていた。以上の結果から、SRSは有用な尺度であると判断した。 手続きII: SRSと看護師の自立性および患者との快不快体験を測定する質問項目で構成された質問紙を用いて、青森県、富山県、三重県、島根県、長崎県、沖縄県に在住する看護師を対象に実施し、約3500名の回答を回収した。 現在、spiritualityの規定要因を検討するために、回収データを整理しコンピュータに入力中である。
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