研究課題/領域番号 |
14572293
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
内布 敦子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (20232861)
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研究分担者 |
大塚 奈央子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (30336838)
滋野 みゆき 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (70305697)
荒尾 晴恵 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (50326302)
宇野 さつき 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326311)
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キーワード | 外来化学療法 / 看護ケアニーズ / セルフケア能力 / 副作用 / 症状マネジメント / サポートシステム |
研究概要 |
本研究は、1998年以来行ってきたがん患者の症状マネジメントにおいて患者自身が潜在的にもつセルフケア能力を引き出し、がんに伴う症状(痛み、吐き気、倦怠感など)を看護の専門家がサポートするモデルIntegrated Approach for Symptom Management (IASM)をもとに、外来で化学療法を行っているがん患者の副作用・症状マネジメントのサポートシステムの開発を目的におこなうプロジェクトである。3年間のプロジェクトのうち1年目の本年は、実際に外来で化学療法をうけているがん患者、また化学療法を外来でおこなっている医師が求めている看護ニーズを明らかにすることであった。看護師が認識している看護ケアニーズはすでに先行研究で明らかになっているので、今回はがん患者や医師の視点から調査を行った。関西圏内の2病院の肺がん患者17名、また関西県内の3病院の医師5名にインタビューを行い、外来化学原法における看護ケアニーズについて半構成的質問紙とインタビューガイドを用いてデータを収集し、内容の分析を行った。 その結果、患者や医師は外来化学療法中の看護ケアニーズを明確には認識しておらず、むしろ入院加療中に受けた看護ケアの体験の延長線上で看護ケアを連想するにとどまる傾向にあった。現状の外来看護では、十分に看護師と話す時間もなく、看護サービスも診療の補助にとどまっているために、患者も医師も看護ケアの広がりについて発想や期待を持つことができないことが起因していることが考えられる。一方、副作用情報をはじめとする様々な情報提供に関してはニーズが高く、患者同士の情報ネットワークなどのニーズも潜在的にはあることが予測された。特にZD1839 (Iressa)が保険適用になった時期の調査で、マスコミでも有害事象が取り上げられたため、患者の新薬への期待と不安が多く語られ、他の患者の体験を情報としてほしいという声も聞かれた。また、医師が認識している看護ケアニーズは、地域への連携や、地域のケア提供情報、緩和ケア移行時の患者サポートなどであった。
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