研究課題/領域番号 |
14572293
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
内布 敦子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20232861)
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研究分担者 |
荒尾 晴惠 兵庫県立大学, 看護学部, 助教授 (50326302)
川崎 優子 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (30364045)
大塚 奈央子 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (30336838)
小林 珠実 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (50382263)
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キーワード | 外来化学療法 / がん患者 / セルフケア能力 / 評価ツール |
研究概要 |
【研究目的】 本研究は、2002年度に外来化学療法を受けるがん患者のケアニーズを明らかにし、その結果をもとに2003年度には必要なケアパッケージを開発した。最終年度となる本年度は、看護師の視点で、外来化学療法を受ける患者のセルフケア能力を査定する視点を明らかにすることを目的としている。 【研究方法】 外来化学療法に携わる看護師を対象にインタビューを行い、患者のセルフケア能力を看護師がどのように査定しているか抽出し、類似するものをカテゴリ化した。さらにカテゴリの下位項目を活用し、セルフケア能力を評価する指標と評価項目を検討した。 【研究結果】 『社会的活動との関わり』『身体的機能』など、10項目のカテゴリと53のサブカテゴリが抽出された。これらの要素は、セルフケア能力の土台となる第1段階、セルフケア構造に直接関与する第2段階、より複雑な応用能力が要求される第3段階に分類され、階層性を持った構造を示した。すなわち、看護師はセルフケア能力を判断する時、患者の身体状況や療養生活で必要となる様々な能力を確かめ、応用し発展させる能力に至るまで段階的に判断を行っていることが明らかとなった。このような判断の段階は、オレムのセルフケア理論ですでに確認されている概念と矛盾するものではなかったが、現場の看護師は若干概念構成を組み替えて判断している様子もうかがえた。53のサブカテゴリは、化学療法という特殊な場面でのセルフケア能力を表現したものと考えられる。外来化学療法中の患者は、在宅で身体管理を行うことを迫られており、セルフケア能力を評価するツールの開発は急務である。今後、看護師が外来で簡便に用いることができる評価ツールへ発展させていく必要がある。セルフケア能力の要素を探ることは、看護師が効率よく患者サポートを行うポイントを示すことにもなり、看護介入の手がかりを与えることにつながっていく点でも重要である。
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