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2002 年度 実績報告書

老人と動物との絆が果たす役割-アニマル・セラピーの生理心理学的な効果について-

研究課題

研究課題/領域番号 14572297
研究機関広島県立保健福祉大学

研究代表者

田丸 政男  広島県立保健福祉大学, 総合教育センター, 教授 (80101682)

研究分担者 真野 祥子  広島県立保健福祉大学, 看護学科, 助手 (90347625)
山中 道子  広島県立保健福祉大学, 看護学科, 助手 (60280187)
越智 淳子  広島県立保健福祉大学, 理学療法学科, 助手 (00280199)
杉本 吉恵  広島県立保健福祉大学, 看護学科, 講師 (40280185)
薬師寺 文子  広島県立保健福祉大学, 看護学科, 助手 (30310858)
キーワード唾液 / s-IgA / MHPG / HVA / アニマル・セラピー / ストレス / クロモグラニンA / コルチゾール
研究概要

1.目的及び方法:本研究では高齢者を対象として,アニマル・セラピー(動物介在活動)の不安やストレスの軽減作用について,生理心理学的に評価することを目的とした.本年度は,これまでの基礎データを更に追加するために,従来協力いただいた静岡県の高齢者福祉施設及び病院でデータ採取を行った高齢者と動物(犬及び猫)との触合いは午後2時〜2時半の約30分間とし,本研究に文書での同意を得た高齢者(2施設:約30名)に対して,動物との触合い直前,直後,60分後の3回唾液の採取を行った.同時に心電図を採取して,心拍変動(HRV)を検討した.
2.生化学的及び生理的変化(1)唾液中のカテコールアミン代謝物の測定:ノルアドレナリン代謝物のMHPG濃度およびドーパミン代謝物のHVA濃度は動物との触合いによって,触合い前の値の何れも約1.5〜1.8倍の増加を示した.触合い60分後には,MHPG及びHVA濃度は触合い前の値の約10%〜20%の減少が示された.このことから,動物との触合いは高齢者の自律神経活動の活性化を示すが,その60分後ではリラックス効果の傾向が認められた.(2)クロモグラニンA濃度:副腎髄質ホルモンの分泌と同時に分泌されるペプチドであるクロモグラニンAも,上記のカテコールアミン代謝物の濃度変化と同様の傾向を示し,動物との触合い60分後のリラックス効果の傾向が認められた.(3)s-IgA濃度:従来から急性ストレスでは上昇を,慢性ストレスでは低下を示すことが知られている.本物質も上記の3物質と同様の傾向を示したが,動物との触合い60分後では触合い前値の約半分まで低下しており,本実験ではs-IgA濃度が,不安/ストレス指標として適当であるかどうかの再検討の必要性が考えられた.(4)HRV:心電図のR-R間隔の周波数分析から,動物との触合い後に副交感神経系が優位となるリラックス効果が示された.
以上のカテコールアミン代謝物,クロモグラニンのAの濃度及びHRVの検索から,高齢者と動物との触合いが,高齢者にとって一時的なリラックス効果の傾向を示すことが生理学的に認められた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 田丸政男: "高齢者における動物介在活動の生理心理学的な効果について"JAHA Annual Meeting 2002年度年次大会大会概要・HABセツション抄録. 18-19 (2002)

  • [文献書誌] 田丸政男: "高齢者における動物介在活動の生理心理学的な評価について"ヒトと動物の関係学会 第9回学術大会 予稿集. 58 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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