研究課題/領域番号 |
14572299
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
玉城 清子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 講師 (60326501)
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研究分担者 |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (80010015)
加藤 尚美 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (60255411)
賀数 いづみ 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助手 (50316220)
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キーワード | 若年妊娠 / prenatal attachment(胎児への愛着) / 家族形態 / 母親及び父親の養育態度(愛情、心理的自立の否定、行動の自由の促進) / 妊娠の希望 |
研究概要 |
目的:若年妊娠者の胎児への愛着に関与する因子を明らかにする。 調査対象:妊娠時20歳未満でアンケートに協力が得られた24人を対象として平成14年12月下旬から平成15年2月下旬に調査を行った。結果は以下のようであった。 結果:1)対象者の特性は、年齢16〜20歳(平均18.4歳 SD0.88)、初産婦19人経産婦5人であった。核家族は7人(30%)であり、他は妊婦の実家もしくは夫の実家で生活していた。若年者の年収は少なく、100万〜200万円未満の者が全体の42%を占めていた。主たる家計収入者が夫の者は11人(46%)、他は実家や夫(彼氏)の両親であった。経済状況は核家族では困窮していたが、他家族と同居している場合は緩和されている傾向にあった。 2)胎児に対するアタッチメントはMullerのThe Prenatal Attachment Inventory (PAI)を用いて測定し、それに影響を及ぼす因子として、本人や夫及び家族の妊娠の受け止め方、経済状態、出産経験の有無、家族形態、父母の養育態度を調査した。PAIは21項目からなり各項目1〜4点の配点である。胎児の受け入れのよい場合4点、漸次スコアは減少し低い場合には1点である。胎児への愛着得点の平均値は57.3点(SD9.7)であった。平均値以上をhigh群、それ以下をlow群とし、各変数につき2群間でx2乗検定した結果、妊娠を希望した人は有意に胎児への愛着が高く、また夫(婚約者、彼氏)や実母が妊娠を喜んでいる場合に胎児への愛着が高い傾向にあった。妊婦の父親や義父母の妊娠の受けとめ方、経済状況、出産経験の有無、家族形態と胎児への愛着には関連性は認められなかった。妊婦自身が子ども時代に父母から受けた養育態度の測定はParker等のParental Banding Instrument (PBI)を用いて測定した。養育態度の下位尺度である「愛情」「心理的自立の否定」「行動の自由の促進」と胎児への愛着間に関連性は認められなかった。今後は対象者数を増やすと共に、さらに分娩や育児のwell-beingに関与する因子も明らかにする予定である。
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