研究課題/領域番号 |
14572299
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
玉城 清子 沖縄県立看護大学, 看護学科, 助教授 (60326501)
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研究分担者 |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, 看護学科, 教授・学長 (80010015)
加藤 尚美 沖縄県立看護大学, 看護学科, 教授 (60255411)
賀数 いづみ 沖縄県立看護大学, 看護学科, 助手 (50316220)
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キーワード | 若年妊産婦 / Prenatal Attachment(母親の胎児への愛着) / Maternal Attachment(母親の児への愛着) / 母親の養育態度 / 社会的サポート / 結婚相手としての希望 / 育児ストレス / 親業ストレス |
研究概要 |
目的:若年妊産婦の胎児・乳児への愛着得点を継続的に調査することにより関与する愛着因子を明らかにする。 調査対象:平成14年12月下旬〜平成16年3月の期間に、妊娠確定時20歳未満であり、調査に同意の得られた55人(妊娠末期から48人、分娩時から7人)である。 方法:母親の児への愛着を妊娠末期にはPAI(Prenatal Attachment Inventory)、出産後はMAI(Maternal Attachment Inventory)を用いて調査した。 結果と考察 1)産褥早期のMAT得点と、褥婦が子どもの頃に受けた母親の養育態度との間に正の相関があり、愛情深く、自由な雰囲気で養育されたと認識している者にMAI得点は高かった。 2)MDAS(Marital-Dyadic Adjustment scale夫婦関係の調和性)は日常生活及び夫婦生活における夫との一致度を測定する尺度であるが、妊娠末期から分娩後1年までのMDAS得点とPAI得点・MAI得点間に相関はなかった。結婚相手としての希望とPAI得点・MAI得点との間には、希望の高かった相手と結婚した者のPAI得点・MAI得点は高かった。母親の児に対する愛着は夫婦間の日常生活の調和性ではなく、結婚相手への愛情が影響する因子であった。 3)社会的サポートの4下位尺度のうちAVSI(社会的相互交渉の相手の存在)は妊娠末期のPAI得点と、ADSI(社会的相互交渉の充足度)が分娩3か月後のMAI得点と相関はあったが、他の時期においては相関が低く、また他2つの下位尺度はMAI得点と相関が低かった。したがって若年妊産婦の場合社会的サポートは母親の児への愛着に影響が少ないといえる。 4)分娩後6か月にMAI得点と育児ストレス、1年目にMAI得点と親業ストレスとを調査した。MAI得点と育児ストレス得点間に負の相関、親業ストレスの下位尺度である「配偶者との関係」得点とMAI得点間に負の相関があり、育児に関するストレスや配偶者との間のストレスは児への愛着にも影響してることが明らかになった。 5)分娩から1年後までの縦断的調査の結果、平均MAI得点に大きな変化はなかった。個々のMAI得点は、分娩時から高得点で推移している者が多かった。しかし、a)分娩後(産褥早期)のMAI得点は高くないが3か月までに高くなる者(緩慢上昇群)、反対にb)分娩後は高く1か月時点に下降し、3か月では再度上昇する者(一時下降群)、c)月例が進むにつれ徐々に下降する者(下降群)があった。上昇緩慢群は予定外の妊娠、下降群には子どもが眠らない、育児ストレスが大などの特徴があった。
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