研究分担者 |
永井 眞由美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教授 (10274060)
前田 理江 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (30352058)
稲岡 文昭 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
要田 郁美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (50389128)
石井 智子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (30389126)
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研究概要 |
死を受け入れてたくましく生きる終末期患者がもつ「生きる力」,看護者の生きる力を「育む力」の実態を明らかにし,ヒューマン・ケアリングを基盤とした新たな死の準備教育プログラムを構築することを目的としだ。 1.平成14年度から15年度にかけて,我が国における死の準備教育の実態把握と,終末期患者の「生きる力」とその力を育むことを可能にするヒューマン・ケアリングである「育む力」を明らかにした。 (1)看護・医学・宗教学等の大学で,授業科目を担当する教員に質問紙調査を行った結果,一般市民を対象とした死の準備教育は未だ少なく,健康志向の市民ニーズを反映してか,講演会等で単発的に行われる場合が多いことが分かった。 (2)終末期患者をケアする緩和ケア病棟看護師ならびに訪問看護師を対象に面接調査を行った結果,看護師が捉えた患者の「生きる力」は,自己の死を受け入れて尚希望を見出し維持する力であった。「生きる力」を育む力は,安楽な日常生活を維持するケアの側面と,希望の素となる思い出,人的・物的資源を育ててきた患者の個人的特性があった。 2.平成15年度には,米国における死の準備教育の実態について,マサチューセッツ州にあるセイラム州立大学看護学部を訪問し,看護教員による死の準備教育について情報を収集した。その結果,中高年層の人々は健康に対する関心は高いが,若年層の自殺や無軌道な生活態度の問題解決のために生命の尊厳を教育することが急務であるとの示唆を得た。 3.平成16年度には,過去2年半の研究結果を踏まえ,プログラムの構築に取組んだ。中高年のがん患者,終末期看護のエキスパートとの意見交換を経て,健康指向のプログラムの中で,人生における希望の素となるものを確認,創造する体験,プログラムの仲間が,ひいては希望を維持する人的資源へとつながるよう,地域を中心とした自主グループへと発展をめざし,感情や体験を共有する機会を多く取り入れるようプログラムを構築した。
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