本年度は、主に1)研究に用いるツール開発・改良、2)対象児の募集および研究実践へのオリエンテーションを行った。 1)研究に用いるツール開発・改良 病障害をもつ子どもに適用するWeb版看護介入プログラムについて、療育専門職者および対象児の家族の意見も取り入れて内容を検討し、Flashプログラムにより障害児在宅看護支援ソフトウェアを開発した。完成したソフトウェアは、パソコンのWebブラウザ上で動作し、看護介入の手段としてサウンドとアニメーションを再生できる。また、対象児のADLレベルでは既存のキーボードの使用は困難なため、専用のボタン型キーボードを製作した。 その後、療育専門職者、対象児および保護者に本ソフトウェアを公開・試用して、本ソフトウェアから得られる視覚刺激や聴覚刺激により、転動性、多動性のある子どもが集中力と学習意欲をみせる場面が認められた。当初予定していた対象児(発達年齢が2歳前後の18歳未満の子ども)に適用できるものと判断できた。 現在、Macintosh、Windowsパソコン双方に対して、Internet経由でプログラムを配信できるように調整している。また、実験に適切なパソコンを所有していない対象児に対しては貸与機材を大学既存の機材を活用して準備した。 2)対象児の募集および研究実践へのオリエンテーション 本研究に応募した対象児と面談し、対象児については発達検査を行い、参加の適性を検討した。その結果、現在パイロットスタディの対象者として、家族の選出を終えている。この対象児には自宅への研究用パソコンを貸与し、Web回線設置の支援も行い、実践準備を完了している。
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