看護ケアプログラム案1の作成 平成14年度に得た基礎データの分析から得られた「生活行動上の特徴」と「介入」の分類カテゴリーをもとに看護ケアプログラム案1を作成した。これは、A4用紙23ページからなる小冊子の形態をとり、構成内容は、実践的思考プロセスに沿うよう、まず、日常生活上の行動障害に注目し、それがどのような高次脳機能障害と関係があるか推察を導く《アセスメントガイド》と、「基本的アプローチの姿勢」「コア介入とその意味」「高次脳機能障害ごとの特性に応じた介入」「生活行動障害ごとの具体的介入方法」からなる《ケアプログラムガイド》から構成した。また、様々なキャリア、看護・介護の職種を超えて活用できるようわかりやすく、見やすくすることを考慮すると同時に、なぜ、そうするのか根拠や意味がわかるように先行研究の知見や理論から生活行動障害の意味解釈と介入の根拠を裏付けて案1を作成した。 熟練者による評価 看護ケアプログラム案1の内容的妥当性、実践適用可能性を検討するために、2つのリハビリテーション施設で熟練者として紹介されたリハビリテーション専門医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士各2名、経験5年以上の看護師7名を対象に、施設ごとにグループインタビューを実施した。その結果、内容の妥当性についてはほぼ適切であると評価を得たが、一部、カテゴリーの概念に重複があり臨床的には区別しにくいとの意見から、生活行動上の特徴については11カテゴリーから6カテゴリーに再分類を行った。他、具体的介入方法についても助言がありこれを加えた。実践適用の可能性については看護者から当初"わかりにくい"と戸惑いの反応があったが、その原因がレイアウト上の問題と本ケアプログラムの構成と活用の仕方についての了解不足にあることがわかり、それらを修正することで、実践適用は十分可能と判断された。 次には、修正した案2を臨床で実際に試験活用しさらにプログラムを洗練させていく予定である。
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