ロシア化学会誌の例会議事録の整理がほぼ終わり、最終的な分析に取りかかるばかりになった。会員の分析と投稿論文の分析を始めた。また代表的な化学者として、これまで研究をしてきたメンデレーエフとヴェルナツキーとともにイパーチエフについての資料の収集も開始した。 昨年度に投稿したメンデレーエフの周期律発見と受容に関する論文が英文で出版された。今年あいついで発行された新しいメンデレーエフの伝記があるので、それを手がかりにメンデレーエフの伝記記述について構想を検討した。 ヴェルナツキーの地球化学研究とその日本に対する影響に関する論文をまとめ発表した。発表と投稿では、化学史家ではなく地学史の研究者と交流ができ有益であった。 今年はとくに11月にモスクワ大学の化学科が主催した化学史に関する国際会議で、ヴェルナツキーと日本の関係について発表を行った。発表はロシア語で行い、ロシアの化学者ならびに化学史家と有益な交流をすることができた。今年度はモスクワ大学創立250年になるとともにモスクワ大学化学科創設75年にあたり、関係文献の出版があり、国際学会参加は研究交流のよい機会となった。 また、ロシア科学アカデミー科学史技術史研究所に所属するロシアの代表的なヴェルナツキー研究者にインタヴューをすることができ、ロシアにおけるヴェルナツキー評価について有益な情報と意見が得られたとともに、今後の研究交流の足がかりが得られた。
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