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2005 年度 実績報告書

18世紀における古典力学の体系化に関する歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580004
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 和行  京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60273421)

キーワード科学史 / 古典力学 / オイラー / 運動方程式 / 運動法則 / ラグランジュ
研究概要

本年度は,第一に,剛体の運動に関する理論を中心としたオイラーの力学理論の検討を進めた.とくに,1730年代から1760年代に及ぶ,彼の力学理論の時代的変遷に焦点を当て,各時代における運動方程式の位置付け,また運動方程式の形式の変遷について考察した.初期の段階では,オイラーの運動方程式は,ガリレオの落下法則が理論的基礎となっており,そのことは,一階の距離に関する微分方程式という特異な形式に反映している.1740年後半に,オイラーは,空間に固定された座標系を設定し,各座標に関して二階の微分方程式を構成するという,我々にも馴染みのある運動方程式を提唱し,体系的に用いている.しかしながらガリレオの落下法則の影響は,その特異な係数として残っていた.この研究成果は論文「オイラーの運動方程式」として発表した.
第二に,これまでは検討してこなかった最小作用の原理を出発点とした変分力学に関する論文「モーペルチュイ氏の静止と運動に関する一般的原理間の調和」(1753)を検討し,最小作用の原理を基盤とした静力学と動力学の統一という彼の試みが失敗に終わった過程を検討した.しかしラグランジュはこのオイラーの試みを受け継ぎつつ,理論的基盤を最小作用の原理から仮想速度(仮想変位あるいは仮想仕事)の原理に変更することによって,『解析力学』において静力学と動力学の統一を成し遂げたのだった.この問題に関しては,現在研究をまとめているところである.
またオイラーの力学に関するこれまでの研究をまとめて,彼の重要な力学関連の論文を集めたものを『オイラー力学論文集』として刊行を準備中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] オイラーの運動方程式2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤 和行
    • 雑誌名

      科学哲学科学史研究 1

      ページ: 153-169

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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