本年度の研究実施計画に基づき、以下の諸点を中心に研究を予定通り遂行した。 1.カーネギー財団、ロックフェラー財団関連資料のタイプ化および翻訳 昨年度、米国のカーネギー財団(ワシントンD.C.)およびロックフェラー大学(ニューヨーク)へ赴き収集した資料に加え、新たにロックフェラー財団所蔵の資料を入手した。得られた資料は、手書き、タイプ書き等種々であったが、可能な限り解読し重要と思われる肉筆資料についてはタイプ化し、時系列的な整理を行なった。さらに、これまで知られていなかった資料に関して翻訳を行ないパソコンに入力した。研究終了後、ネットワーク上での公開に対応できるように工夫を進めている。物品費(消耗品費、資料費)、謝金等をこのために支出した。 2.成果報告および外国人研究者からのレビュー 研究成果を平成16年5月、東京工業大学で開催された日本科学史学会および同年11月、米国オースティンで催された米国科学史科学哲学会において成果報告をし、外国人研究者からレビューを受けた。なかでも、米国の大学院で研究に励んでいる韓国、中国出身の研究者から、戦前期の日本における米国からの研究助成に対する実証的研究に関心と興味が寄せられた。さらに、成果は口頭発表ばかりでなく、雑誌論文として二編をまとめた。旅費、その他(印刷費)等をこれに支出した。
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