研究概要 |
本年度(初年度)は、計画通り、国立国会図書館憲政資料室所蔵のCI&E文書・PHW文書のマイクロフィッシュ複写、国立教育政策研究所教育図書館所蔵の戦後教育資料の確認と複写、筑波大学附属中央・体芸図書館所蔵史料の確認・複写を行い、占領下の保健体育科成立に関する資料収集・整理を行った。 資料は、収集を行いながら同時に精読をはじめており、その成果の一部は、日本学校保健学会機関誌『学校保健研究』に「占領初期学校保健政策立案過程の一考察」題して投稿・査読中である。 CI & E文書・PHW文書については、マイクロフィッシュによる複写後、A4用紙に時系列にDaily及びWeekly Reportをまとめた。 また、保健体育科が合科として成立する基盤と背景の考察をすべく、学校保健研究発達史・学校健康教育研究発達史として、第49回日本学校保健学会において「高等教育・研究機関における学校保健研究者の系譜」を発表した。本報告は、「A History of School Hygiene Lectures in Japan」として『Japanese Journal of School Health suppl.44,2002』に掲載された。 第61回日本公衆衛生学会では、前研究と同様に、学問の背景史として、戦後学校保健研究界を支え、多くの保健体育科の研究者を排出した東京大学教育学部健康教育学研究室の成立史を発表した。 上記、史料の収集と同時に、占領期当時、文部省体育局保健課に在職した竹内光春氏へのインタビュー、同局体育課に在職した江橋慎四郎氏へのインタビューを行い、当時の体育局の状況把握、確認を行った。また、占領初期から中期に同局保健課長であった故新井英夫氏蔵書・史料の確認と御子息である新井宏朋(山形大学医学部名誉教授)氏へのインタビューを行った。 その他これまで行われてきた本研究と関連する研究論文、特に戦後社会科成立史について確認・精読した。
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