研究課題/領域番号 |
14580031
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
天野 郡壽 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10031337)
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研究分担者 |
天田 英彦 流通大学, 商学部, 助教授 (20202690)
金 恵子 奈良女子大学, 人間科学研究科, 助手 (10324964)
CARLOS MARIA REINARUTH 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (90335414)
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キーワード | バスケットボール / 経営 / 財政 / 経済効果 / 企業スポーツ / 外国人選手 / PBA / KBL |
研究概要 |
各国のバスケットボールを内から(3カ国において、チームの経営や財政管理者、リーグの財政担当者等にインタビューし、選手にはインタビューやアンケートを実施した)、あるいは外から(実際の試合を見物し試合運営の方法や観客の反応を観察した)実証的研究を進め、運営と経済効果について比較検討を行った。 1、フィリピン・バスケットボール連盟(以下PBA)、韓国・バスケットボールリーグ(以下KBL)は全選手がプロ契約をしている、いわゆる「プロ」である。しかしながら、いずれの国のクラブもその経営形態は、アメリカNBAのように独立採算をしておらず、クラブ経費をオーナー会社に頼る「企業内クラブ」であるといえる。PBA、KBLは選手のサラリーに「サラリー・キャップ制」をとっている。 2、日本のクラブはアマチュア(所属会社の社員と言う意味)を前提としているが、実際は年限を限った"プロ契約"をしている選手が存在する。 3、PBAは企業の宣伝の手段と認識されているので、企業の総宣伝経費との比較でその存在意義が語られることが多い。KBLはオーナー会社の宣伝と社員の帰属意識向上のためと考えられている。 4、日本のオーナー企業においては、スポーツ活動の支援は企業の社会的責任であるとの理解の元、社内のクラブ活動を厚生事業の一環として取り扱っている。 5、いずれの国も外国人選手の試合参加に人数の制限を設けている。そのほとんどがアメリカ国籍の選手であるが、給与は1シーズン2000万円ほどで、国による差はあまり無い。(世界的な共通価格があると考えられる) 6、PBAは、フィリピン系アメリカ人を「内国人」として、無制限に受け入れている。2002年末から3年にかけて、FilAmと呼ばれている彼らの中にフィリピン系でない選手のいることがわかり問題となっている。 7、KBLは各チームのコーチやスカウトが揃ってアメリカに出向き「スカウティング・セッション」を開いている。アメリカの選手に2,3日の「トライアウト」への参加を呼びかけ、そこで下位チームから希望の選手を獲得する「ドラフト会議」がもたれる。ここで雇用される選手の給料や待遇は、KBLで決められている。 8、日本においての外国籍選手の獲得は各チーム独自に行っており、その額や条件はまちまちである。 9、経済効果の数量化については、16年3月現在、検討中である。
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