研究概要 |
本研究の目的は,自転車エルゴメータを用いた間欠的運動の生理的応答に関する基礎的な研究を行い,その成果を,ITに用いることで実践的にまた遠隔的にトレーニングや運動の処方に活用することであった.結果は下記のようにまとめることができる. 1)自転車エルゴメータを用いた60秒間の量大努力運動中における発揮パワーおよび発揮パワーの低下傾向から,critical powerに相当する運動強度の推定が可能となった. 2)無酸素性作業閾値に相当する運動強度を,運動と運動の間に休息を挟み運動負荷を上げていく間欠的漸増負荷運動中の心拍数の変動から推定することが可能となった. 3)下肢および上肢の主運動であるPedalingおよびCranking運動におけるCritical Powerを決定することできた. 4)Critical Powerの概念を自転車エルゴメータを用いた間欠的運動に応用し,運動時間および運動強度を一定にし,休息時間を変化させた間欠的運動において,疲労困憊に至ることなく運動の繰り返しが可能な量大レベルの平均発揮パワー(Intermittent exercise critical power)を決定することができた.これによって,目的に応じた間欠的運動のトレーニング・運動処方のプログラム作成が可能となった.また,作成されたプログラムを実践的なフィールドテストで試行したところ,その有効性が示された. 5)これらの研究成果をITを用いて活用することで,研究成果に基づく[測定・評価]⇔[運動処方の作成]⇔[トレーニング・運動の実施]といったマネージメントサイクルが簡便に実施できるシステムの構築が可能となった.
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