研究課題
前年度に引き続き、今年度は身体障害者に適した具体的な運動処方について検討を行った。運動処方に用いた運動は、アームクランクエルゴメーターによる負荷漸増法及び速度漸増法を10日〜2週間に一度の頻度で行った。運動強度は、対象者別に次の負荷を用いておよそ半年間行った。骨形成不全:50rpm/minの速度でOwattから5wattづつ、5分毎に負荷漸増を行い、20wattに至る25分間の運動。脳性麻痺:上半身麻痺のためアームクランクエルゴメーターを足で行わせた。50rpm/minの速度から、5分毎に速度漸増を行い、80rpmに至る20分間の運動。頸髄損傷:掌握機能不全のため紐で手をペダルに固定させて行わせた。50rpm/minの速度から、5分毎に速度漸増を行い、80rpmに至る20分間の運動。後半の半年間は、それぞれの負荷インターバルを3分間として行った。運動中及び運動前後の生理心理的指標は、前年度と同じ指標を用いて実施した。骨形成不全者の生理心理的指標は、前年度に比べ顕著な増加が認められた。脳性麻痺者及び頸髄損傷者の生理心理的指標は、前年度に比べ僅かな増加が認められた。運動による心拍数-酸素摂取量の関係は、前年度同様、骨形成不全者についてのみ認められ、脳性麻痺者及び頸髄損傷者については認められなかった。しかし、いずれの対象者についても運動時間の延長が認められた。また、運動後に爽快感を感じる等の内省報告が得られ、定期的な運動の実施による心理的効果の向上が示された。
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