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2004 年度 実績報告書

スクーバダイビングの安全対策に関する潜水障害の発生頻度及び予防に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580067
研究機関駒沢女子大学

研究代表者

芝山 正治  駒沢女子大学, 人文学部, 教授 (80107250)

研究分担者 眞野 喜洋  東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (70014339)
キーワードScuba diving / 潜水障害 / 減圧症 / 耳の傷害 / 高所移動 / 減圧症発症率
研究概要

日本のレジャー(スポーツ)ダイバーの人口は、およそ30万人と推定される。これらのダイバーが潜水活動を行うことによって耳の障害や減圧症などの潜水障害に罹患することがある。
本調査研究は、ダイバーの潜水経験年数、潜水回数などから潜水障害の罹患率を調べることができ、次の通りの結果が得られた。本結果は、本邦ではじめての報告である。
1.潜水障害の発生頻度は、窒素酔い、耳の傷害、副鼻腔の傷害は10%強から5%前後の発生率であり、近年は緩やかな減少傾向を示しているが、減圧症は2〜3%の推移で変化し、緩やかな上昇傾向を示している。
2.減圧症の経験者は86名であり、延べ件数では97件であった。レジャーダイバーの減圧症罹患率は2%であった。
3.減圧症経験者の年齢分布における人数は、30〜34歳で22名と最も多かったが、調査年齢人数との比率では40〜44歳の5%が最も高い割合を示し、経験年数と加齢に伴う現象の現れと推測された。
4.減圧症発症と経験タンク本数の関係は、18,000本に1回の減圧症発症が認められることが調べられた。レクリエーショナルダイバーとインストラクターダイバーとの比較では、14,000本と20,000本であり、レクリエーショナルダイバーの発症率が高い結果となった。
5.レジャーダイバーが伊豆半島周辺で活動している人数は、週末で約5,000人と予測され、それぞれ2日間に2本のダイビングを行うと、延べタンク本数が20,000本となり、1週間に1回の減圧症罹患者が発生している計算となる。
6.潜水後の高所移動率は80%であり、東名高速道路の御殿場を経由するルートが64%を占め、続いて、国道1号線の箱根峠を経由するルートが17%であった。箱根峠は海抜900mであり、危険箇所に当たる。
7.これらを総合的に考察すると、全国の潜水障害の中の減圧症経験者数は、少なくとも5,000人以上と推察できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] スクーバダイビングの安全対策に関する潜水障害の発生頻度および予防に関する調査研究2004

    • 著者名/発表者名
      芝山 正治
    • 雑誌名

      駒沢女子大学研究紀要 11

      ページ: 91-97

  • [雑誌論文] スクーバダイビングの安全対策に関する潜水障害の発生頻度および予防に関する調査研究2003

    • 著者名/発表者名
      芝山 正治
    • 雑誌名

      駒沢女子大学研究紀要 10

      ページ: 209-216

  • [雑誌論文] Decompression sickness and recreational scuba divers2003

    • 著者名/発表者名
      Nakayama H., Shibayama M.et al.
    • 雑誌名

      Emerg Med J. 20(4)

      ページ: 332-334

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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