本年度は障害者スポーツ指導者の活動の実態について明らかにするため、障害者スポーツ指導者に対してアンケート調査を行った。回答者数は3323人。調査内容は大きく三つに分けられる。性別、年齢、取得資格、資格取得講習会、職業等のフェイスシート、活動に対する満足度、資格取得目的、活動頻度、活動内容、活動上の問題点等活動の実態に関するもの、および、活動の不安度、不安の原因、講習会等への参加頻度等指導者の資質に関するものである。調査の結果次のようなことが明らかになった。 ・資格取得後の満足度は低く、指導に関する不安を抱いている人が多い ・活動の内容としては単発的な大会やイベントでのスタッフとして活動することが多く、継続的な運動プログラムに関わっている人は少ないと推測される ・障害者スポーツ活動に関する何がしかの情報を受け取っているもののそれが有効な情報となっていない ・指導者間のコミュニケーションは活発だとはいえない ・指導方法、内容、ルール、障害に関する知識が不十分だと感じている人が多い ・女性の活動が男性に比べて低い(指導員資格取得者には女性のほうが多い) ・若い年代の満足度が低く、不安感も大きい。高年齢層では比較的活動頻度が高く、不安感も少ない ・認定校での資格取得者の落ち込み(活動の不活発さ)が激しい ・日本体育協会スポーツ指導員からの移行者のモチベーションは高い これらの結果に加え、障害者スポーツ指導者に対するインタビュー調査も行った。継続的登録率が低いこと、認定校での資格取得者が把握しきれないなどの問題点があることが明らかになった。
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