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2003 年度 実績報告書

現在進行中の市町村合併に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580097
研究機関福山大学

研究代表者

森川 洋  福山大学, 経済学部, 教授 (70040706)

キーワード単一自治体 / 市町村連合 / 平成の大合併 / ドイツ / 市民に身近な政治 / 生活圏 / 新連邦州 / 地方自治
研究概要

わが国において現在進行中の「平成の大合併」に対して資料提供を行うために,2002年と2003年の8月にドイツ8州の市町村制度の調査を行い,ある程度成果を得た。予想していたように,西ヨーロッパでは1970年ころに人口8000人程度を目標とした市町村合併を行って以後,わが国のように再度合併を推進しようとしている国はなく,旧西ドイツでは当時の行政地域改革によって形成された市町村連合が依然として維持され,単一自治体への移行はほとんどないことが判明した。市町村連合には上位の組織が強い力を持つものと,ただ単に共同の行政機関を行うだけのものとがあるが,いずれもその運営にはかなりの努力がなされている。それにもかかわらず,市町村連合が存続するのは「市民に身近な政治(Burgernahe)」の思想であり,単一自治体においてさえベチルク(地区)制度によってある程度の自治が認められている。わが国では,明治行政村によって自然村的自治は早く失われ,地方自治の思想が十分成熟しなかったし,郡の廃止も市町村の規模拡大に影響しているのを感ずる。
ドイツ調査に多くの時間を要したがなお未完成の状態で,国内の市町村合併に関する調査はあまりできないままに終わった。雑誌「地理」の合併特集号では,財政力指数と合併要綱の分析によって,大合併後においても財政の改善はあまり期待できないことを明らかにし,生活圏や地域アイデンティティを無視した財政問題主導の「平成の大合併」について批判的な意見を述べた。埼玉県や長野県での調査結果については報告の段階にはない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 森川 洋: "ドイツにおける市町村の現状-ラインラント・ファルツ州とニーダーザクセン州との比較考察"人文地理. 55-2. 99-120 (2003)

  • [文献書誌] 森川 洋: "旧東ドイツ地域における市町村の現状-チユーリンゲン州とブランデンブルク州を例として-"地誌研年報. 12. 159-183 (2003)

  • [文献書誌] 森川 洋: "ドイツ・シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州におけるアムト制度の現状"福山大学経済学部論集. 27 2. 27-64 (2003)

  • [文献書誌] 森川 洋: "ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州の市町村制度と地区(ベチルク)制度"地誌研年報. 13(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 森川 洋: "ドイツ・バーデン=ヴェルテンベルク州の市町村の現状"福山大学経済学部論集. 28 2(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 森川 洋: "「平成大合併」に関する批判的考察"地理. 47-9. 8-15 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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