本年度は3年間の研究期間の2年目にあたり、主として古気候データベースの作成、災害に関連した民間行事の調査、地理情報システムによる解析を行なった。 1.古気候データベースの作成 古気候史料を整理し、以前から構築中の「歴史気候データベース」に入力した。データベースから、歴史時代の広域的な気候災害や防災祈願行事の表示・検索などができるようにした。 2.災害にかんする民間行事の調査 気候災害にかんして、風祭や、風や水などの神を祀る祠堂などについて調査を行った。またこれらの地を巡拝してまわる行事についても、北陸、東北、東京などで調査を行った。 3.ハリケーン災害と影響の調査 顕著な気候災害である台風との比較のため、ハリケーンによる風水害や干害などの気候災害と、それに結びつく民間行事などを、キューバを中心にしたカリブ海地域で調査した。 4.地理情報システムの構築と解析 上記のデータベースにさらに国土地理院により作成された標高データや土地利用などの国土数値情報データを加えて、地理情報システムを作成した。これにより統計解析や空間解析を行って、災害を受けやすい地域とその変遷の解明を試み、歴史時代をとおして気候変動が人々や社会におよぼした影響について分析を進めた。
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