研究概要 |
コンピュータと衛星画像解析ソフトを購入し,装置・ソフトの利用法を習得した.さらに,ブータンのASTER,SPOTなどの衛星画像を入手し,かなりの範囲の解析作業をおこなった.その結果を用いて,1998年におこなったスノーマントレック沿いの氷河湖危険度評価調査の結果を論文にまとめた(Iwata et al.,2002a).多くの氷河湖は,1980年代に大きく拡大した事がわかった.2-3の特に危険な氷河湖を特定することができた.また,リンシー地区とルナナ地域の,最終氷期以来の氷河変動を明らかにした.それは,東ネパール,クンブ地域の氷河変動の傾向とよく一致していた.この結果も論文にした(Iwata et al.,2002b). 解析作業の過程で,中央ブータン,チャムカール川流域源頭のチャブダ氷河湖が非常に危険であるということが判明したので,衛星データの画像処理をおこない,GIS技法によってマッピングした.その結果をブータン政府に報告した結果,2002年9-10月にチャブダ湖の野外調査を実施する機会を得た.その結果をブータン政府に報告できた.チャブダ氷河湖のGLOFの潜在的な決壊の危険性は大きいが,さしあたっての危険は少ないと判断した.氷河変動についても解析結果をまとめた(Karmaほか,2003).氷河は大きく後退している.インド・ヒマラヤのガルワルでも,一部の氷河の解析をおこなった.いくつかの氷河は大きく後退していることがわかった.
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