研究概要 |
1.ヒマラヤ東部地域のかなりの範囲の解析作業を,1960年代に撮影されたCORONA衛星写真を用いておこなった.その結果の一部として,1967年に地質学者A. Gansserが描いた氷河と氷河湖のスケッチの信憑性を評価できた.2005年3月4日に平成16年度北海道大学低温科学研究所共同研究集会(北海道大学低温科学研究所)で発表した. 2.CORONA衛星写真の利点・欠点,東ヒマラヤ地域で利用する場合の問題点を明らかにできた。 3.東ヒマラヤとの比較の意味で,高緯度地方にあり,インド・モンスーンの影響が少ない天山山脈東部において,その氷河縮小と,モレーン形成についてまとめ,学会誌で発表した(Iwata et al., 2005). 4.東ヒマラヤとの比較の意味で,高緯度地方にあり,インド・モンスーンの影響が少ないパミール=アライと西テンシャン山脈において,その氷河縮小を明らかにし,2005年2月にベルンで開催されたEARSL LIS-SIG Workshopで発表した. 5.これらの研究のまとめとして,i)東ヒマラヤでの最近50年間の氷河縮小は大きい.小型のC型氷河には消滅したものもある.大型のデブリ=カバー氷河も表面の低下は著しい.これらを反映して,氷河湖の拡大も著しい.ii)モンスーンの影響が少ない天山山脈やパミール=アライでも氷河の縮小は著しいがその程度は東ヒマラヤよりは少ない.
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