研究概要 |
(1)屋敷林の現状と消滅過程を把握するため,1960年代の航空写真を整備し,当時の屋敷林を読みとりデータベースの作成に取り組んだ。仙台平野中央部の行政メッシュ3次コードで約40メッシュ分のデータが得られた。これまで蓄積してきた現在の屋敷林との比較は15年度に行う予定である。 (2)典型的な屋敷林を選び,気候緩和機能を把握する目的で気温の観測を行った(継続中)。15年度は風向風速の観測を加え,通年観測の予定である。 (3)大気汚染物質の内,NO濃度,NO2濃度,CO濃度,CO2濃度,粉じん濃度の調査を行った。幹線道路に隣接した屋敷林を選び,連続測定により汚染物質濃度の動態および植物の浄化効果の確認を行った。バッグ採取法による比較調査の結果,屋敷林の有無によって道路周辺の濃度に大きな差が生ずることが確認できた。 (4)屋敷林の植物生産量を計測するため,林内にリタートラップを設置し,落下してくる枯葉・枯れ枝の回収を行った(継続中)。14年度はリタートラップの試作と計測手法の検討を行った。15年度には林内に複数のリタートラップを設置し,林分全体の年間生産量を把握する予定である。同時に,屋敷林の樹木一本一本について樹幹肥大量を把握するために,胸高胴周りの計測を行う。3年後に同一の計測を行い,樹幹肥大量から二酸化炭素の固定量を見積もる予定である。
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