研究概要 |
(1)屋敷林の現状と消滅過程を把握するため,1960年代の航空写真を整備し,当時の屋敷林を読みとりデータベースの作成に取り組んだ。昨年航空写真からトレースして取得した屋敷林について,今年度導入したGISソフトを用いて面積を求めた。16年度は,現在の屋敷林について同様の作業を実施し,40年間の変化の定量化を行う予定である。 (2)典型的な屋敷林を選び,気候緩和機能を把握する目的で気温の観測を行った(継続中)。 (3)屋敷林の樹木一本一本について樹幹肥大量を把握するために,胸高胴周りの計測を行った。16年度は,再度胴回りを計測して肥大量を求めることと同時に,代表的な樹木の幹にダイヤルゲージを設置して幹肥大速度の直接測定を試みる予定である。 (4)樹木一本ごとの樹高を三角測量によって計測し,幹の太さと樹高との関係を解析し,良好な相関関係が得られた。このデータによって樹木容積の賦存量を試算した。樹幹肥大量から二酸化炭素の年間固定量を見積もる予定である。 (5)屋敷林の植物生産量を計測するため,林内にリタートラップを設置し,落下してくる枯葉・枯れ枝の回収を行った(継続中)。14年度はリタートラップの試作と計測手法の検討を行った。15年度には林内に5個のリタートラップを設置し,林分全体の年間生産量を把握する調査を継続中である。
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