研究概要 |
本研究の目的は,冒険遊び場を子どもたちの日常生活圏において発展させていくために整備すべき要件について明らかにすることを目的とするものである。 本年度は,冒険遊び場4箇所(箕面市,伊丹市,神戸市,名古屋市)において活動観察調査,運営者にたいする聞き取り調査を実施した。さらにプレイリーダーが常駐する数少ない冒険遊び場である「てんぱくプレーパーク」(名古屋市天白区天白公園内)に来所する子どもの保護者に質問紙調査を実施した。その結果,以下の事柄について明らかになった。 プレイリーダーは,遊び心を刺激し,遊びを発展させる,親や学校の先生以外の大人と触れ合う機会になる等,その役割に多くの保護者から賛同を得ており,「冒険遊び場」にとってなくてはならない存在であると認識されていた。子どもが犯罪に巻き込まれることの多い今日,子どもだけで遊ぶよりも大人が見守ることが防犯上も安心だと考える保護者も多くみられた。そのため,冒険遊び場の増設,常設化,及び専任プレイリーダーの常駐化を希望している保護者が多いものの,現実には資金および人材の面が大きな課題であった。この点で,行政支援は今後の大きな課題といえる。また,プレイリーダーが子どもの遊び,ひいては成長発達に大切な存在であるという社会の認知を得るために,プレイリーダーの養成,職能の確立もまた重要な課題である。
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