【研究目的】本研究の目的は、冒険遊び場を子どもたちの日常生活圏において発展させていくために整備すべき要件について明らかにすることを目的とするものである。 【方法】本年度は、昨年度に引き続き、プレイリーダーが常駐する数少ない冒険遊び場「てんぱくプレーパーク」(名古屋市天白区天白公園内)を対象に、観察調査および来所する小学生に対する聞き取り調査を実施した。調査は、2003年8月、10月、12月の3期にわたって実施した。 【結果】プレーパークは来場小学生にとって日常的な遊び場となっていることが明らかになった。来場者は男子の割合が多く、1Km圏内にある小学校の児童が自転車で来ることが多い。小学校入学前から来所している子どもも多く、半数の子どもは初来場から3、4年が経過している。プレーパークでよくする遊びとしては、多い順に、ディアボロ、こま、スベリ台、木工、ぶらんこ、竹細工、冒険山基地作り、たき火等があげられ、自然とふれあう遊び、手作り遊具による遊び、モノ作りが人気を得ている。遊びには季節の変化がみられ、夏には池、ミニプールを活用した水遊び、気候の穏やかな秋には冒険山での基地づくり、などがあげられる。天白プレーパークは、2人のプレイリーダーの常駐を特色としている。しかし前年度の2人の退職に伴い、調査時点では新任のプレイリーダーが1人、途中からさらに新任1人が加わっての体制となったが、調査研究を通してプレイリーダーの重要性を確認することができた。プレイリーダーの安定確保は、当該冒険遊び場の継続の課題となっている。
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