本年4月、国内の国際結婚を考える会を対象に行った「国際結婚による二重国籍についての調査」の調査結果の分析を進め、11月1日に開催された日本家政学会関西支部大会にて、「国際結婚から生まれた子どもの国籍選択に影響する要因-国際結婚を考える会の場合-」と題して発表した。二重国籍を持つ子ども達が国籍法で定められた22歳以後も二重国籍を留保したい意志を持っていること、その要因として海外就職や海外居住の可能性があることが調査結果から得られた。また国籍選択が定められている国籍法を知っている者ほど、二重国籍留保を求めていることが判明した。11月中旬から、海外に住む国際結婚をしたカップルに、英語調査票と日本語調査票を用意し、夫と妻票、子票を郵送配布した。12月から1月にかけて回収した。回収率は67.4%であった。国内の子ども達より、海外の子ども達のほうが、二重国籍希望が多く、また介護に対する意識に関しては夫と妻とも、公共サービスを利用する傾向が見られる。その理由として、移動の可能性があげられる。今回の海外調査はドイツ、フランス、オランダなどのEU諸国からの回答だ多かったので、多文化共生の環境の影響を多分に受けたと推測する。 また4月、5月と国内のダブルスのインタビュー調査も行い、テープ起こし作業がほとんど終了し、ただ今分析中である。国内の夫妻の調査結果は3月末に「日本人家族と国際結婚家族における高齢者介護に関する比較研究」として相愛女子短期大学研究論集第51巻に掲載した。また子どもの調査結果は「国際結婚から生まれた子どもの国籍選択とその影響要因-国際結婚を考える会の場合-」と題して論文を投稿予定している。
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