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2003 年度 実績報告書

特別食におけるレシチンとコレステロール含有量の実態調査

研究課題

研究課題/領域番号 14580143
研究機関県立広島女子大学

研究代表者

石永 正隆  県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (70110765)

キーワード病院 / 治療食 / コレステロール / レシチン / 1日摂取量 / コリン / アセチルコリン / 栄養管理
研究概要

【目的】:コリンは神経伝達物質であるアセチルコリンなどの多くの重要な生体化合物の構成成分である。コリンの主要な供給源はレシチンで、食物から摂取されており、卵類、豆類、肉類などに多く含まれている。一方、高コレステロール血症として診断されていない人も血液検査でコレステロール値が高いと、コレステロールを含む食品を避けるようになってきている。
今回は、多数の試料を分析するにあたって、従来のTLC-灰化法よりももっと簡便な方法の開発を試みた。その方法の妥当性を検討し、治療食のコリンリン脂質の定量に応用した。
【食事試料】:治療食:糖尿病食、高コレステロール血症食、高脂血症食、膵・胆食、心臓病・高血圧症食について、5病院から適当に治療食選んで、1週間分を提供して頂いた。合計105治療食の分析を行った。
【結果】:食事中のコリンリン脂質の簡易測定法の開発:(1)Streptomyces Chromofuscus由来のPhospholipaseDが3種のコリンリン脂質を分解できた。(2)酵素処理で遊離したコリンはYangら(Lipids,14,3,1979)の方法で測定した。3種の標準コリンリン脂質の灰化法によるリンのモル数と酵素処理で得られたコリンのモル数は殆ど一致した。また、食事から抽出した粗脂質のTLC分離後、コリンリン脂質を掻き取り、灰化法で測定したリンのモル数と粗脂質の酵素処理で得られたコリンのモル数も一致した。以上の結果より、治療食中のコリンリン脂質の測定は以後、Phospholipase Dによる酵素法を用いて測定した。
治療食:各治療食とも7日間集められ、それぞれ1日分を分析した。糖尿病食は5病院から、高コレステロール血症食は1病院から、心・高血圧症食は3病院から、膵・胆症食は3病院から、そして高脂血症食は2病院から提供された。糖尿病食におけるコレステロール含量は病院毎に幅が見られ、170〜270mg/dayで、レシチン由来のコリン含量も150〜210mg/dayであった。その他の治療食もコレステロール含量は平均210mg/day以下であり、レシチン由来のコリン含量は平均210mg/day以下で、治療食によっては100mg/dayのものもあった。以上のことから、治療食ではコレステロール含量が抑えられているために、レシチン由来のコリン含量もかなり低かった。病院における栄養管理で考え無ければならない事柄である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上田愛子, 石永正隆: "食事および食品中のコリン含有量"第50回日本家政学会中四国支部大会研究発表要旨集. 14 (2003)

  • [文献書誌] 石永正隆, 上田愛子: "食事中のコリンリン脂質の簡易測定法"第50回日本家政学会中四国支部大会研究発表要旨集. 36 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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