研究課題/領域番号 |
14580151
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
大杉 匡弘 武庫川女子大学, 生活環境学部・食物栄養学科, 教授 (70085231)
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研究分担者 |
松井 徳光(岡村 徳光) 武庫川女子大学, 短期大学部・食生活学科, 助教授 (20211807)
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キーワード | ビオチン関連物質 / 線溶活性 / 抗トロンビン活性 / きのこ / 糖産生 / 健康・機能性 / 担子菌 |
研究概要 |
エノキタケ、マスタケ以外に健康・機能性が注目されているマンネンタケ、アガリクスタケ、ヤマブシタケ、メシマコブ、スエヒロタケなど46種の担子菌を、食品素材として米・麦・そばなどの穀類、馬鈴薯などのいもおよびでん粉類、砂糖および甘味類、小豆、大豆などの豆類、ぶどう汁などの果実類など29種にそれぞれ菌糸体培養を室温にて約1ヶ月行った。各食品素材での菌糸体の培養には、口径3.5cm×12cmの試験管中で行った。菌糸体が生育後、固形食品素材には原料の3倍量の水を加え、さらに室温で2-3ヶ月間静置培養を行った。培養後、子実体形成の観察およびろ過により菌蓋を除いたろ液を糖生成やアルコール生成ならびに健康・機能性試験に用いる試料とした。 その結果、子実体形成が観察されたのは、アワビタケ、マンネンタケ、ヤマブシタケとスエヒロタケで、特にアワビタケは多くの食品素材を利用することがわかった。10%以上の糖生成が中力粉、もち米、きび、はと麦、ひえ、小豆を原料にしたマイタケ、タモギタケ、ブナシメジ、クリタケ、マンネンタケ、カンゾウタケなどのろ液に見られた。ブナシメジを用いたもち米から生成した糖成分は、主としてグルコースとマルトースであった。アルコール生成量については現在検討中である。次に、健康・機能性試験の結果、血栓症予防効果としての抗トロンビン活性を示したのは供試46菌株中33菌株が緑レンズ豆に、というように酒粕、小豆、ビール酵母、中力粉、はと麦などの食品素材を中心にして、エノキタケ、ヒラタケ、ヤマブシタケ、マスタケ、スエヒロタケがその効果を示した。線溶活性では、アマランサス、オートミール、中力粉、はと麦、生乳、緑レンズ豆に生育のシロキクラゲに高いが見られた。担子菌のビオチン関連物質については、10μg/ml以上の生成を示したものに、原料としてのアマランサス、オートミール、きび、中力粉、豆乳、玉蜀黍、はと麦、ひえなどがありマツタケ、マンネンタケ、クリタケ、カンゾウタケ、アミガサタケ、ヤナギマツタケなどに見られた。その他抗酸化性などの健康・機能性試験については、現在検討中である。
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