研究課題/領域番号 |
14580155
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
藤田 守 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60037471)
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研究分担者 |
馬場 良子 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (90271436)
林 辰美 中村学園大学, 栄養科学部, 助教授 (40149646)
藤本 淳 中村学園大学, 大学院, 教授 (80080547)
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キーワード | 乳飲期 / 離乳期 / 小腸 / 空腸 / 回腸 / 吸収上皮細胞 / 低アレルゲンミルク |
研究概要 |
正常離乳プロセスに伴う、消化管上皮細胞の超微形態学的変化に関する種々の基礎的研究の結果、さらに母乳栄養から人工栄養に移行する過程に見られる消化管上皮細胞の形態学的変化に関する研究結果を基に、昨年度は母乳栄養の延長と、さらに低アレルゲンミルクを用いた飼育を行い、どのような差異が見られるかについて検討した。その結果、低アレルゲシミルクによる飼育においても、乳飲期小腸吸収上皮細胞の消化吸収機構に影響を及ぼすことが示唆された。そこで本年は、その結果を踏まえて、低分子栄養が乳飲期の小腸吸収上皮細胞に与える影響について検討を行った。 アミノ酸栄養を1週間行った結果、空腸吸収上皮細胞においては、高分子物質の取り込みが激減し、トランスサイトーシスは見られなくなった。回腸においても、高分子物質の取り込みは見られなくなった。しかし、いずれにおいても、乳飲期の特徴を持った吸収上皮細胞が絨毛基部から先端部にかけて観察された。グルコース栄養を1週間行った結果、空腸吸収上皮細胞においては、高分子物質の取り込みが若干減少し、トランスサイトーシスは見られなくなった。回腸吸収上皮細胞においては、高分子物質の取り込みが見られ、巨大ライソゾーム内にも観察された。グルコース栄養を行った場合においても、絨毛の基部から先端部にかけて、乳飲期の特徴を持った吸収上皮細胞が観察された。これらのことから、グルコースとアミノ酸では乳飲期の小腸吸収上皮細胞の消化吸収機構に与える影響は異なり、また人工乳、低アレルゲンミルクとも異なることが示唆された。
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