研究課題
基盤研究(C)
我々はこれまで新生児期、乳飲期、離乳期および成熟期の消化管上皮細胞における栄養素の消化と吸収の研究を行うと同時に、食物性アレルゲンの侵入経路等の検索も行ってきた。これらの研究結果より、食物アレルギーの発症には、母乳栄養から人工栄養、または離乳食に移行する過程(離乳プロセス)が深く関与していることが考えられ、離乳プロセスに伴う消化管粘膜上皮の変化と食物性アレルゲンの侵入経路を詳しく検索し、食物アレルギーの発症機序の解明とその予防に役立てる目的で、本研究を計画した。新生児期、乳飲期に母乳以外の栄養を用いて哺育を行うことで、小腸の絨毛の形態および吸収上皮細胞の吸収機構に変化を及ぼすことが考えられ、それらの変化は小腸の部位によって異なり、さらに人工乳等の成分の違いによっても差異を生じることが示唆された。また、空腸においては母乳のIgGの通過経路に関連して、食物アレルゲンが生体内に侵入することが示唆されたが、母乳以外の栄養を用いて1週間飼育を行うと、粘膜固有層への食物アレルゲンの侵入は認められない。このことから、離乳時期まで健全な母親の完全母乳栄養を行うか、やむを得ず早期離乳を行う場合には、まず、アレルゲン性のない低分子栄養を行って空腸吸収上皮細胞のトランスサイトーシスの経路を消失させ、その後、人工乳栄養等を経て離乳準備食、離乳食へと移行することで、乳児期の食物アレルギーの発症をかなり予防できると思われる。
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