研究課題/領域番号 |
14580157
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研究機関 | 青葉学園短期大学 |
研究代表者 |
峯木 真知子 青葉学園短期大学, 食物栄養学科, 教授 (30129283)
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研究分担者 |
棚橋 伸子 青葉学園短期大学, 食物栄養学科, 助手 (80369412)
渡邊 康一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80261494)
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キーワード | ダチョウ / フィナンシェ / プリン / 組織観察 / テクスチャー / 筋線維 |
研究概要 |
本年度は、ダチョウ卵の熱凝固性、起泡性、つなぎ力などを鶏卵と比較した。それらを利用した調理品を調製して、調理特性、テクスチャー、組織構造、官能検査などから比較検討した。ダチョウ卵の凝固温度は、DSC分析からも鶏卵より卵黄及び卵白とも約5℃高いので凝固しにくかった。起泡性は鶏卵より泡立て時間がかかり、泡の安定性も悪かった。これらを利用した製品として、希釈凝固性を利用したプリンではやわらかなテクスチャーを示し、製品の色は劣るものの好まれた。起泡性を利用したスポンジケーキでは、泡立ち・焼成時間に鶏卵より時間を要し、硬さ・凝集性は鶏卵より低い値を示し、もろさは大きかった。その組織構造は、鶏卵より細い網目構造を示し、気泡も丸い形状ではなかったので、鶏卵製品に比べると劣ることがわかった。しかし、バターを添加することにより、製品の色の改良効果は明らかで、油脂味が独特の硫黄臭を消し、官能検査でも好まれた。そこで、ダチョウ卵の卵白量の多い利点、バターの利用で改良効果がされたことから、卵白を泡立てずに用いる「フィナンシェ」への応用を試みた。フィナンシェにおける卵の機能と役割は定かでないことから、撹拌、小表粉量の影響も検討した。その結果、撹拌の程度・小麦粉量・卵のつなぎ力は製品に大きく影響した。また、フィナンシェに対する嗜好について、市販品数種を用いて官能検査を行った所、各人での好みが非常に異なったので、簡便な方法(卵白の泡立てない)で調製した。アーモンドプードルは小麦粉と同量が好まれ、組織構造の網目構造の強靭さに影響した。焦がしたバターを用いたことで、ダチョウ卵製品の色、匂い、テクスチャーの改善がみられ、官能検査でも好まれた。ダチヨウ肉については、ニワトリなどとかなり異なる骨格筋の筋線維型を示したので、昨年に引き続いて、組織学的な解析を続行中である。
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