研究概要 |
干しスルメイカを水戻しすると、物理化学物性とミクロ構造上どんな変化をもたらすか? 概要 摂氏4度(Aグループ)と40度(Bグループ)で干したスルメをそれぞれ水に漬け、更にアルカリ溶液に浸し、その物理化学物性と組織構造上の変化を観測した。水含みの体重はAの方がBより著しく大であった。この膨潤法では、破裂の圧力並びにエネルギーの点でBは遙かにAより顕著であった。又、AのSDS-PAGEパターンが生スルメイカとほぼ同等であったのに対し、Bのそれはより低い分子量をもつ多量の破片を生じた。なお、蒸留水に浸したときは、BのSDS-PAGEパターンに大きな変化はみられなかったが、光学顕微鏡で組織構造を分析すると、筋肉繊維束が観測された。また、Bの筋肉繊維はアルカリ溶液で膨潤されると水浸透がすすむ。AとBのグループについて蒸留水での浸水時間と温度の関連を実験した。Aの場合、AMPとIMPの含有量は摂氏60,20,5,95の順で多かった。Bの場合、同含有量は摂氏60,95,20,5の順で多かった。
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