研究概要 |
ゴマを炒る時は「3粒はぜたら、火を止める」といわれている。あらいゴマ、皮むき白ゴマ2種について電気ガスオーブンにより、160、170、180、190、200℃で10分間加熱して焙煎温度の異なるゴマ材料を用いて試料を調整した。クリープ測定(RE-305,山電)の結果、瞬間弾性率(EO)、遅延弾性率(E1)、遅延粘性率(η1)、定常粘性率(ηN)の4要素モデルとして解析され、それらの値は、あらいゴマ豆腐、皮むきゴマ豆腐共に、170℃焙煎ゴマ豆腐が最も低かった。割断面の観察では、170℃焙煎ゴマは最も空砲が大きく、190℃焙煎ゴマ豆腐は170℃の試料よりも小さく、構造は緻密になった。官能検査の結果から、170℃あらいゴマ豆腐、皮むきゴマ豆腐が最も軟らかく、弾力、口ざわりも最も高く評価された。これらゴマ豆腐の力学的な性質は、ゴマ成分が影響していると考えられる。さらに、2種のゴマ材料を用いてゴマ豆腐を調製する際にゴマ油を添加して調整した試料の経時的変化について、テクスチャーとクリープを測定し、油脂含量の影響を調べた。その結果、油脂含量が増加するほど、硬さ、ガム性は、保存日数に伴い、高くなるが、凝集性、付着性は低下した。また(EO)、(E1)、(η1)、(ηN)すべてにおいて、油脂含量の高くなるほど、値も高く、貯蔵日数に伴って増大した。官能検査から、おいしいと感じる油脂含量は、3.4%〜6.4%であり、その油脂濃度は、ゴマ豆腐として最も基本的な配合割合であるゴマ40g、葛40g、水450gで調製された試料であることがわかった。
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