研究課題/領域番号 |
14580170
|
研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
三成 由美 中村学園大学, 栄養科学部栄養科学科, 教授 (60239324)
|
研究分担者 |
福本 あずさ 中村学園大学, 栄養科学部, 助手
徳井 教孝 産業医科大学, 産業生態科学研究所臨床疫学, 講師 (50207544)
|
キーワード | 児童 / 食教育 / 日本型薬膳 / プリシード・プロシードモデル / 排便 / 食事 / 食習慣 / 調理 |
研究概要 |
【目的】小学校の総合的な学習の時間や学校給食を活用して、児童の健康的な食習慣・排便習慣の形成の基礎づくりと、食事を通して児童の自己の健康管理能力を高めることを目的に、米国のGreen, L.Wらが開発した行動変容モデルであるプリシード・プロシードモデルを参考にして、食教育プログラムを作成した。開発した「日本型薬膳を食べて、正しい排便習慣を身につける」食教育プログラムの効果について評価する。 【方法】「日本型薬膳を食べて正しい排便習慣を身につける」食教育プログラムの開発を行った。児童の行動目標は1.日本型薬膳や郷土料理の美味しさと栄養価値の重要性を知る2.旬の食材、食品の選択ができる3.日本型薬膳の調理方法を知る4.家庭で食事の手伝いをする5.日本型薬膳と排便の関係を知る6.規則正しい排便習慣を身につける(毎回自分の排便を見る)である。 実施方法は、平成15年10月〜12月にF市のH小学挾の5年生の児童84名を対象に2群に分けて、プログラム実施前後でその効果について評価した。朝の健康観察、総合的な学習時間、学校給食を利用して学校栄養職員、教員の協力により、ティーム・ティーチング(T.T.)を導入して実施した。 【結果および考察】準備因子として食と排便習慣についての実態調査を行った結果、日本の伝統食のきのこ類、大豆類、海藻などやその料理が好まれていないことが示唆された。排便習慣では、排便時間が不規則な児童が多く、遅寝や朝食欠食など生活リズムの乱れが原因ではないかと推察される。促進因子として日本型薬膳の調理示範や試食などを行った結果、ごはんの炊き方、だしのとり方、魚の鮮度の見分け方や調理法、郷土料理の知識の向上が示唆された。また、自分の排便を見る児童が多くなり行動変容が認められたことは、排便シールとティーム・ティーチングの効果によるものではないかと考えられる。強化因子として、保護者に食と排便に関する資料を配布したり、調理示範と試食を実施したが、家庭において食や排便について話すようになったり、料理を手伝うようになった等の行動変容も若干見られ、プログラムの効果が認められた。今後、保護者や地域の協力を得て、食の体験を考慮したフォローアップ事業を推進していくことが重要であると考えられる。今後、この食教育プログラムは再検討し、現場の栄養士や教師に活用していただく予定である。
|