研究概要 |
平成14年度において,本研究グループでは,大学における環境教育の普及と改善をはかるためのプロジェクト型環境教育プログラム関発に必要な情報の収集と試行的プログラムの開発を行ってきた。とりわけ,日進月歩で進展しつつある環境科学の研究成果を検索できるサイト,一般に公開されている航空写真や人工衛星画像などのリモートセンシングに関する検索サイトの発見につとめ,あわせて環境教育ゲームの開発に必要な基礎データの収集とシュミレーションプログラムの試行的開発を行った。 研究代表者の田中邦明は,音環境の問題を解決するための実践的な学習プログラムの開発に取り組んだほか,シュミレーションゲーム開発の基礎となるデータを収集するために,ミクロ生態系における植物群落と植物プランクトンの競合と安定性に関する実験的研究を行った。また,大学の「総合演習」の指導をとおして,無料で閲覧可能な世界規模での人工衛星画像検索サイトのサンプル画像を利用することで,アフリカのエリトリアーエチオピア国境付近の森林破壊と砂漠化の進行状況を捉えることに成功したほか,Eメールによる通信によって海外6カ国の非政府組織と連絡を取り合いながら,身近な環境問題の調査活動を行った。さらにタイおよびベトナムでの現地調査によって深刻な大気汚染および水質汚濁の発生の現状を明らかにした。 研究分担者の高橋伸幸は,環境学習のためのコンピューターシュミレーションゲームの基礎的な開発を試み,単純な生態系モデルのプログラミングによって,安定型,変動型,絶滅型の3型モデルの創作に成功した。さらに研究分担者の若菜博は,北海道漁民による自然保護と復元の活動の歴史を詳細に検討し,北海道えりも地区の漁民による100年間にも及ぶ植林の実践が環境科学における人類の「自己認識」に大きく貢献したことを明らかにした。
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