身近な自然の「資源としての面」への気づきを促す、系統的な環境教育教材群の開発

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14580194
• 研究機関: 京都教育大学
• 研究代表者: 広木 正紀 京都教育大学, 教育学部, 教授 (30115977)
• 研究分担者: 村上 忠幸 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (20314297) ; 岡本 正志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70149558)
• キーワード: 環境教育教材 / 活動教材 / 身近な自然 / 生活とのつながり / 観察教材 / 資源教材 / 物づくり教材 / ガラスづくり

研究概要

本研究は、環境教育教材のうち、「A.身近な自然の'存在'自体への気づきを促すことに重きを置いた観察教材」と、「B.身近な自然を原料や材料に用いた物づくり教材」に重きを置き、教育実践を視野に入れた、それらの開発と系統化を目指している。
今年度は、次のように研究を進めた。
1.上記のAとして、コンテナビオトープ(プランタービオトープ)について様々な角度からの教材開発(いくつかの土の種類で比べる、雨のかかり具合など設置環境を変えて比べる、など)(山木ほか2003、塩見ほか2003)、それらの小学校における教育実践(元生ほか2003、木村ほか2003)、チョウを手がかりにした自然観察教材の開発(矢野ほか2003)、その小学校における教育実践(松林ほか2003)、さらに野菜を手がかりにした自然観察教材の開発(山本ほか2003)等を行った。
2.Bとしては、ガラスづくり(谷口ほか2003)、納豆づくり(長谷川ほか2003)、油づくり(伊藤ほか2003)、かつお節づくり(小池ほか2003)、染色(濱ほか2003)について教材開発を行った。ガラスづくりに関し簡単に記す。ソーダ石灰ガラスについては、SiO_2として身近にある砂や岩石、Na_2CO_3としてワカメやアオサを燃やした灰、CaCO_3として鶏卵の殻、はまぐりの貝殻等をそれぞれ用い、硼珪酸ガラスについては、原料のうちのSiO_2に身近な砂や岩石を用いて試み(熱源はガスバーナー)、様々な色のガラスがつくれることが分かった。
3.このような教材を開発していくことの、環境教育・理科教育にとっての意義・役割について、考察・検討した(広木2003a, b)。

研究成果

• [文献書誌] 広木正紀: "カリキュラムの改革に連なる教材の開発"理科の教育. 52(10). 7-9 (2003)
• [文献書誌] 山本晋平, 広木正紀, 村上忠幸: "「野菜は生きているのかどうか」に目を向ける活動の教材化 -市販の野菜を土に戻すとどうなるか-"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 40 (2003)
• [文献書誌] 谷口朋宏, 広木正紀, 村上忠幸: "ガラスづくりの原料を、試薬から自然物へと近づける試み-「身近な自然に対する資源的なとらえ方」を育む探究的な教材の開発を目指して-"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 62 (2003)
• [文献書誌] 松林 昭, 広木正紀, 村上忠幸: "チョウの単元に環境教育の視点を導入した実践の試み -理科から環境へ広がる学び-"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 46 (2003)
• [文献書誌] 元生安宏, 尾崎薫子, 山本晋平, 広木正紀: "プランタービオトープによる身近な自然発見の取り組み"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 75 (2003)
• [文献書誌] 木村和美, 広木正紀: "総合的な学習 コンテナビオトープで子どもが変わる 〜探究と自己肯定感の側面から〜"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 76 (2003)
• [文献書誌] 山本美由紀, 広木正紀, 村上忠幸: "プランターに放置した土は肥えていくか、やせていくか -物質循環概念を育む探究的な教材の開発を目指して-"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 77 (2003)
• [文献書誌] 塩見 勝, 広木正紀, 村上忠幸: "土からはじめる環境教育-探究的な教材の開発を目指した研究-"日本理科教育学会 近畿支部大会(京都大会)発表要旨集. 平成15年度. 78 (2003)
• [文献書誌] 木谷要治ほか編: "CD-ROM版 中学校理科教育実践講座 理論編2"ニチブン. 301 (2003)