研究概要 |
ものづくりの重要性や技術の伝承は重要な課題であり,科学技術立国を標榜する我が国にとって,技術やものづくり再生の鍵は,学校教育でのものづくり学習の成否に懸かっている。本研究は,そのものづくり学習の中心的な課題の一つである技能の習得を支援するため,マルチメディア情報技術を活用した「教育の情報化」を意図した学習材を構想しその開発を行ったものである。従来のコンテンツの特徴は,ハード面の制約もあり,ものづくりの基盤となる使用工具・機械等の認知的知識を中心とした画像データベース的なものに止まっていたが,情報技術やハード面での飛躍的な発展に伴い,ソフトとしての学習材コンテンツの開発手法にも革新的な変化が生じ、これまで扱いきれなかった動画や音声を取り込むことができた。特に、技術的知識やパフォーマンス遂行のための効果的な情報提供の必要性に鑑み,パフォーマンスに関する部分に3方向から相互関連を持たせた動画コンテンツを作成し,作業手法や手続き等がわかりやすく捉えられる構成上の工夫を行っている。また,作成した学習教材コンテンツに既存の通信ネットワークを取り込み,初学者である生徒の疑問や反応,作業映像をリアルタイムで還流して形成的評価ができる双方向機能を合わせ持ったシステムを構築した。今後,構想・開発した学習材コンテンツやシステムとしての試用・評価を行い,より有用な「ものづくり支援用学習材コンテンツ」に仕上げていきたいと考えている。
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