研究概要 |
本研究は2年計画の初年度であり,本研究遂行にあたって,総合的に判断しながら,特に基本的な面について,重点的に研究してきた. そのひとつは生理反応を指標とするということから,その指標の取り方についていろいろ検討してきた. まず,その指標として脳波,特に事象関連電位の出現の仕方について検討してきた.その結果,自然科学の法則認知の仕方を例に,事象関連電位がどのように発現するのかを検討した.非常に熟知した法則を間違ったかたちで提示されたときには事象関連電位が発現するが,そうでないときには発現しないことが確認された.特に,熟知していない法則でも発現しないことが,確認できた. また,被験者の脳全体からの脳波測定から,それらのデータを多変量解析的手法で分析した結果,後頭葉因子に視覚的領域があることも確認され,脳波による評価の可能性が確認された. 現在これらの結果をふまえて,具体的な理科視聴覚教材を情動との関係を考慮しながら開発中である.情動的要素の組み込みについてはサブリミナリ的要素も検討中であるが,個人のエピソードデータとの関係も考慮中である.その他にも多くの各種の技法を開発中である.
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